グリーンスパン前米連邦準備理事会(FRB)議長は16日、ABCテレビの番組で、国内経済について、景気が低迷すると同時に食品とエネルギー価格が高騰するというスタグフレーションの初期兆候を示しているとの見解を示した。
グリーンスパン氏は、低インフレは経済成長の大きな寄与要因で、物価は抑制される必要があると指摘した上で「スタグフレーションに陥り始めてはいないが、初期症状が見られる」と述べた。
さらに「基本的にはインフレは抑制されなければならない。FRBがインフレ率抑制のために必要なことを政治的に行えるようにすることは極めて重要である」と述べた。
国内経済がリセッションに陥る可能性は50%に上昇したとの見解をあらためて示したが、米企業の抱える債務水準は良好なので、クレジット状況のタイト化の影響を和らげると指摘した。
(ヤフートピックス)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071217-00000825-reu-bus_all
■豆知識 スタグフレーション
stagnation(停滞)、inflation(インフレーション)の合成語で、経済活動の停滞(不況)と物価の持続的な上昇が共存する状態を指す。
インフレーションは失業とは一般にはトレードオフの関係にある。しかしスタグフレーションでは、失業が悪化するとともにインフレーションが進行する。そのため、デフレーションと比べると、貨幣や預貯金の価値が低下する分だけ生活が更に苦しくなる。
スタグフレーションの主たる原因は、供給ショックである。
これは、インフレーションに対して供給の増加によって対処できない場合に起こる。具体的には、原油価格の高騰などにより、従来の生産設備や生産工程に行き詰まりが発生し、生産調整に伴う失業が増大するとともに、供給能力が低下することによって、物価の上昇(インフレーション)が加速することを指す。
1973~74年の第1次オイルショック、1979年の第2次オイルショックでは、多くの先進国がスタグフレーションに悩まされることになった。
その後は、1980年代に入って石油価格がほぼ半値まで低下して、スタグフレーションから脱却することに成功している。生産設備や生産工程の見直し、省エネルギー運動もその一因である。
(ウィキペディアより引用)